「バンドやめろ」の話


先週土日の「JUMPIN' JACK FLASH」の1日目:
5月7日の、日本マドンナのライブの時、
あんな(vo&b)がMCで言っていた話についてです。
ライブレポと、ジャパン編集部ブログでも、触れられていました。

ライブレポはこれ。 http://ro69.jp/live/detail/51057
ジャパン編集部ブログはこれ。 http://ro69.jp/blog/japan/51030

で。どういう話かというと、以前、対バンしたバンドに、
「きみたちそんな歌うたって、親のこととかもっと考えたほうがいいんじゃない?」
と、言われた。という話です。
で、「こいつ何言ってんだ!?」と驚いて、「そんな奴はバンドなんかやるな」と
思って、作った曲です。
という前置きで、「バンドやめろ」という新曲をやりました。
この曲、もうめちゃくちゃかっこよくてすばらしかったんだけど、それはともかく。
すごくない? この話。
バンドやってる奴が、よそのバンドに、
「親のこととかもっと考えたほうがいいんじゃない?」って言うんだよ?
もう、驚きを通り越して、ある種、カルチャーショックでした、私。

あのー、ロックとか、バンドとかって、「こんなことを歌っては親に申し訳ない」とか、
配慮しながらやるもんでしたっけ?
逆だと思うんですが、どっちかっていうと。
というか、ロックとかバンドとかって、そもそも、やってる時点で親に申し訳ない、
そういうものではないかと思うんですが。

今はそんなことないんだろうか。ないんだろうな。
私、40過ぎたおっさんだし、どうしようもなく古いのかもしれませんが。

でも、あんなにその言葉を投げかけたバンドマンの方からすると、たとえば、
「いこうぜ こするぜ 出そうだぜ」とか、
「あの娘とはただの遊び 遊びでやったのさ」とか、
「Hey Hey We are Timers Timerが大好き」とか歌っていた、
忌野清志郎さんという人などは、もう親の
ことなんてこれっぽちも考えていない、最低最悪のバンドマン、
ということになるわけですね。
ね。すごいでしょ。

別に僕は、親が顔をしかめるようなことを
歌うべきだ、と思っているわけじゃない。
ただ、思ったことはそのまんま歌う、ひんしゅく買おうが、
親が悲しもうが、誰かに怒られようが知ったことか、
みたいなのって、ロックという表現方法のいいところじゃなかったっけ?
と、言いたいわけです。

清志郎も、別に、過激なことやむちゃなことを歌おう、
歌うべきだ、という信念があったわけではないと思う。
ただ、「そういうことは歌ってはいけません」と制限される、歌いたいことを
歌う自由を奪われる、というのが、もうとにかくイヤだったんだと思います。

前にもここに書いたけど、たとえば、コマーシャルにいちいち
「CM上の演出です」というテロップを入れなきゃいけなかったり、
神聖かまってちゃんに対して「『死ね』という言葉を使うべきじゃない」とか、
教育委員会とかならまだしも、まがりなりにもロック・ファンが言ったりする、
そういうのに出くわすたびに、「ああ、イヤな世の中になったなあ」と
いつもいつもいつもいつも思っていて、日本マドンナのこのMCを
きいた時に、
その蓄積された思いがうわーっとなって、その日、家に帰って、
以上のようなことを書いてしまいました。

書いたはいいが、「でもこれ、人に読ませるようなもんかなあ」と
自分でも疑問だったので、アップせずに1週間ほっておいたんですが、
今頃になって、「まあいいや」と思ったので、あげてみました。

とりあえず、日本マドンナは、「バンドやめろ」をさっさと
レコーディングしてほしいと思います。
ライブ以外でも聴きたいので。
あと、まだ録っていない、ほかの曲も。

上は日本マドンナの最新作、『月経前症候群~PMS~』。