ストリート・ミュージシャンの話


駅前で、アコースティック・ギター1本で歌っているストリート・ミュージシャン、
最近、マイクとスピーカーを使っている人が増えている。
というのを見かけるたびに、

そこは生声でがんばろうよ!

と、思います。

昔、ゆずにインタビューした時に、路上ライブ時代の話を
きいたことがあるんだけど、マイクもPAもない
道ばたで歌うことによって、すごく鍛えられた、と言っていた。
とにかく、まず、通行人の耳に届かないといけない。
気に入ってもらえるもらえない以前に、きこえないと話にならない。
だから、でっかい声を出さなきゃいけないし、
高い音域じゃなきゃいけないし、
はっきりした強いメロディじゃないといけないし、
よく通る声じゃないといけないし──
というふうに、歌の歌い方も、曲の書き方も、
「路上で耳に届くためのもの」として、
ビルドアップされていったと。

なるほどお。と、感心したのを憶えています。
でも、今、書きながら思ったけど、これ、まさに、
ゆずがゆずたる所以というか、ゆずという特別な
存在だからそうだったんであって、
それをみんなに求めるのは酷かなあ、という気もしてきました。

ただ、最終的に体力勝負になったら絶対負けない、みたいな、
「歌う肉体労働者」
みたいな、ゆずのそういうところ、いいなあと思います。