ベイエリアと所縁深いミュージシャンには話し好きな人が多いのだろうか? 先月号のエリック・マーティン、ニール・ショーンに続き、ロッキングオン9月号にはふたたび饒舌なアメリカンロッカーのインタビューが掲載される。その人の名はサミー・ヘイガー。彼は自らとマイケル・アンソニーを「残りの半分」と呼ぶ。そして「ヴァン・ヘイレン兄弟不在の状態で、ヴァン・ヘイレンの素晴らしさを最大限に伝えること」を目的のひとつとしながら『THE BEST OF ALL WORLDS』と銘打たれた北米ツアーを実施中だ。
このツアーでサミー&マイケルの「テキーラ愛好家チーム」と合流しているのはジョー・サトリアーニとジェイソン・ボーナム。誰もが納得するしかない顔ぶれだといえるが、ジョーの起用理由についてサミーは次のように語っている。
「俺がこのツアーをやるって言った時、具体的な名前は上げずにおくけど、参加したいという申し出がたくさんあった。本当に名だたるギタリストたちが名乗りを上げてくれたんだ。ただ、彼らとジョーのどこが違うかといえば、エディのことを本当に理解しているかどうかってこと。ジョーの演奏には細部に至るまでエディのやろうとしていたことが取り入れられているし、これぞ正しい演奏だというのがわかる。しかもそこに彼自身の味も加えてくるから、完璧なうえにオマケまでついてくるんだ」
サミーはジョーをはじめとする仲間たちのこと、ヴァン・ヘイレン在籍期の4枚の作品(すべて全米No.1に輝いている)の制作背景、そして、グランジ/オルタナ台頭期にもヴァン・ヘイレンが第一線に君臨し続け得た理由についてもたっぷりと語ってくれている。9月の来日公演に向けて、まさに必読のインタビューといえる。あっけらかんとしているようでありつつ、じんわりと染みる言葉も発するサミー。その発言の向こうにさまざまな現実や真相が見えてくるはずだ。(増田勇一)
サミー・ヘイガーの記事が掲載されるロッキング・オン9月号