「非常時の知恵」の話


昨夜のこと。
終電間際の田園都市線。座席を占領して寝ている、迷惑な酔っぱらいがいました。

しかし。
この写真のように、周囲から自分の定期が見えるような向きで、
手首に装着して、寝ているのです。
見ると、区間は、駒沢大学-千石。

「どなたか親切な方、着いたら起こしてください」
って意味かな、これ。

と思いながら見ていたところ、駒沢大学駅のホームに列車が滑りこんでも、
やはり、ぴくりともしないので、肩をばんばん叩いて、
「駒沢大学!駒沢だよ!着いたよ!」
と、声をかけたところ、彼はヨロヨロと起き上がり、床に投げちらかされていた
スポーツバッグを拾って、電車を下りていきました。
でも、もうひとつ、床に、テニスのラケットが残っていたので、
「忘れ物ー!」と、ホームに投げ、振り返った彼の足元に
それが落ちた瞬間に、電車のドアが閉まりました。

おそらく彼は、これまでも、この方法で、何度も乗り過ごしの危機を
回避してきたのだと思います。
ただ、こっちも、周囲がみんな無視する中、まんまと起こしてあげたんだから、
こうしてここでネタにさせてもらうくらいの権利はあるはず。
と思い、書きました。

定期とかバッグとか、盗まれたらどうすんだ。
というのはありますが。