そして、このタイミングでメンバーのひとり、藤川千愛が卒業するという非常に大きな意味合いを持ったライブ。
喜びも悲しみも持ち合わせた独特な空気感のなか、その特別な1日の瞬間瞬間を大切にするように、メンバーひとりひとり全力でパフォーマンスをする。
それに対して観客も全力で応答し、この時を胸に焼き付けようとする。
ものすごく熱く、エモーショナルなライブ空間だった。
まねきケチャの“タイムマシン”という楽曲に、こんなフレーズがある。
《今日の僕にありがとうって/未来の僕が言えますように》
そう、きっと彼女たちにとって、この武道館はひとつの通過点だ。
武道館に立てた喜びの涙と、卒業に対する悲しみの涙。
「あの涙があったからこそ今がある」と思える未来がきっと来る。
まねきケチャの物語は、まだまだ始まったばかりだ。
ドラマチックで素晴らしい武道館ライブだった。(荒木)