平成最後のライブとしての2デイズ。その初日。
さすがの動員力はもちろんのこと、オーディエンスのひとりひとりが完璧な形でライブを作っていくさまは、LiSA
がこれまでいかに最高のパフォーマンスを見せてきたのかという足跡への信頼に他ならないと、あらためて思う。
平成最後の、ということをLiSAは何度も話していた。
きっと平成のラストの数年間を必死に走り抜けてきた実感がそうさせたのだろう。
時代がリーズナブルになり、ガンガン最適化されていく中で、LiSA
は、リーズナブルなあり方とはまた違う、いつだって決死の、身を削るようなパフォーマンスを見せてきた。
飛んでいきそうなまでに腕を振り、削り取っていくように喉を振り絞り、一挙手一投足にまったく無駄のない俊敏な動物のように、妥協のないパフォーマンスを見せてきた。
もう少し緩めても誰も文句は言わないだろう、どうしたってトップのパフォーマンスなのだからーーと、この数年、僕は何度も思ってきたが、LiSAは常に、体と喉と体力の限界、そのキワのキワまで突き進むライブを見せてきた。
平成最後の2デイズとなる今日もやはりそういうライブだった。
容赦なく効率化されていく合理的な時代で、その波に飲まれず、ひとりで立ち、ベストを尽くし続けているLiSAは、だからこそ、佇まいがどこか儚くて切ない。
この場所には、紛れもなく今しかない時間があり、それはLiSAが今、瞬間に懸けている自分を見てほしいと願っているからなのだと思う。
彼女の全力はいつもギリギリで、スリルがあって、そして鋭く美しくロックだ。
あらためて、そう思った。(小栁大輔)
LiSA、平成最後のライブ、初日を観て
2019.04.29 23:19