最後の表紙巻頭取材にあたって、まず悩んだのが撮影コンセプト。そしてそのコンセプトを表現する衣装でした。
インタビューの「②衣装という革命」でも語られていますが、BiSHの衣装はただの服ではなく、6人のその時々の気持ちや成長を反映した「精神的なベール」のようなもの。BiSHの解散を晴れやかに送り出すために、ふさわしい衣装はなにか――編集部一同悩みに悩んだうえ、最後に行き着いたのは「喪服」というあまりにもシンプルで明快なコンセプトでした。
スタイリスト服部昌孝さんにJAPANのためだけにあつらえてもらった「喪服」は、ハシヤスメの襞襟、アイナの網タイツ、モモコのパフスリーブ、チッチのプリーツスカート、リンリンのハイウエストで縛ったジャケット、アユニのレースを基調としたワンピース――と、まさに「解釈一致!」な、6人の個性を反映した素敵なスタイリングに仕上がりました。「喪服」という同じスタイルであることで、六者六様の個性がより際立つのがBiSHらしいなと感じます。
そんな個性に彩りを足すべく、ハシヤスメは扇子、アイナは涙(目薬を使いました)、モモコはキャンディ、チッチはスプーン、リンリンは日本刀、アユニは牛乳……と、小道具も用意。モモコがソロショットで持っているキャンディには、「とある言葉」が書かれています。キャンディショップで偶然見つけ、「これは!」と思い買ってしまったこのキャンディ。いわゆる「ペロペロキャンディ」的なものも用意していたのですが、ソロショットでモモコが選んでくれたのはこちらのキャンディで、思わずうるっときました……
ちなみに、撮影&「①楽曲という革命」から「⑥ライブという革命」までのインタビューは5月1日に、「⑦解散という革命」インタビューと最後の連載取材は5月3日のJAPAN JAM最後の出演後に実施しています。解散に向けた怒涛のスケジュールの中でも、アラバキ帰りの仙台で買った牛タン弁当を嬉しそうに食べるリンリンや、蘇我スポーツ公園から見えた美しい月に感動するアユニなど、6人は日常の些細な喜びをそれぞれのペースで噛みしめていて、なんだかBiSHらしいなあと思ったものです。
インタビュー、撮影ともにこだわって作ったJAPAN7月号のBiSH表紙巻頭特集。全40P、最初から最後まで余すことなく楽しんでもらえると嬉しいです!(畑雄介)
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