わずか結成1年のバンドだがどこか懐かしい響きのomeme tenten、1stシングル“Now & Then”を聴いて

サブスクが当たり前になった今、どんな音楽にも一瞬でアクセスできるし、新しい音楽に出会う機会も格段に増えた。その分、誰かの記憶に残るためには、ほかにはない個性やもっと知りたいと興味を引く何かしらのフックが必要で、そうでなければすぐにスキップされてしまう。

どこか懐かしさを感じるバンドサウンドに乗った、突き抜けるような強く美しい声に思わずスクロールする手を止めてしまったのは、omeme tentenという2022年に結成されたばかり、東京で活動中の男女混合4人組バンドだ。

今月リリースされた1stシングルの”Now & Then”は、その伸びやかな歌声が輝く曲で、シームレスにサビに突入するメロディも心地よく、何度もリピートしたくなる。
作詞作曲を手掛ける灯(Vo・G)はandymoriに影響を受けたとのことだが、どこか“1984”を彷彿とさせるような自分たちの年代にしか書けない歌詞も味わい深い。
《「君も昔は素直で可愛かったの」/すっかり伸びてしまった/99年生まれたち》――もう子供ではいられないけれど、大人になることは決して悪いことではないし、過去を振り返る暇なんてない。「今」にしか興味がないしこれからの話をしたいと歌うバンドが、これからどんな活躍をみせるのか楽しみだ。(有本早季)


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