メロディーの人懐っこさと歌詞に滲む少年の情緒。朴訥ながら歌心のあるボーカルと曲の風景をダイナミックに見せていくサウンド。そういったKALMAの良さを、“ぼくの部屋、朝のまち”や“意味のないラブソング”みたいなあんまりライブでは聴いたことなかった曲が伝えてくれたことで、とことん盛り上がるアッパーな曲にもその良さは染み込んでいることにちゃんと気づけた。
12月4日に配信される新曲“光の街”はそのKALMAの良さが極まったような曲だったし、3月9日に地元札幌のホールで「少年から青年へ」と題したライブを開催することも彼らの未来を指し示していると思う。悠月は今のバンドを巡る状況への悔しさもMCで吐露していたけれど、こういうライブができて、こんないい曲が書けるKALMAは絶対にもっともっと大きなバンドになっていくはずだと確信できたことが嬉しかった。(畑雄介)