思いすごしかもしれないが、静かに、しかし確実に心の中をじっとり侵食していく。
キャッチーなピアノリフで幕を開け、全体を包みこむ分厚いジャジーなグルーヴを破裂させんとばかりに現代ポップスで彩られた鋭利な針がチクリチクリと突き刺していくような鮮烈さ。
2月、颯爽とメジャーシーンに現れた名無し之太郎のデビュー曲“我儘”には、一見重々しく地に打ち付けられているようでいて一吹きすればふわっと舞い上がる軽やかで高純度なポップミュージックが詰まっている。
北海道出身のギターレス4ピースバンドである彼らにJAPAN初インタビューを試みた。
カラスの羽根がちりばめられたアートワークや《来世を嘲笑って》《クラッシュしちゃって》《飛び込み鴉にキスをする》というフレーズから立ちのぼる死生観について、作詞を担う林(Vo)は「そういうことをたぶん、ずっと考えてるんだろうなとは思います」と語ってくれた。
作曲を担う二瓶(Dr)は「正義のヒーロー感はない。ダークヒーローとか、そっち側なのかなって」と自虐的に自らが置かれたポジションを分析する。
王道も常識も定石も流行も、味わい尽くしたうえでぶち破っていく彼らの音楽がどのようにして生まれたのか。
インタビューは、発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』4月号、およびrockinon.comにて公開中です。(橋本創)
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