全国6ヵ所を巡るワンマンツアーのファイナル公演が、渋谷CLUB QUATTROで行われた。会場後方までぎっしりと埋め尽くされた状況が、今のパーカーズの勢いと人気を物語っている。
一貫してフックが散りばめられたポップソングを投下し続け、この日も誰も置いていかないライブで全員に笑顔を届けた。そんなポジティブな空気を振りまくパーカーズだから、MCでは逆に「最近ネガティブなことあった?」という話題に(もちろん出てくるエピソードは些細で笑える内容なのだが笑)。ツアーの思い出話では、賢ちゃんのポケモンカードへの熱量の高さだったり、深津のいびきをいじる話で盛り上がっていて、「このメンバーの仲にしてこのハッピーな曲ありだよな」とほっこり。
パーカーズは力強さや器用さで押し切るバンドではない。しかし、彼らはさながら漫画の主人公のように、出会うすべての人を味方にしてしまう力を持っている。友人のように親しみやすい温かさと誠実さが溢れ、自然と笑みがこぼれるハッピーなライブには中毒性がある。ライブの随所にお客さんを楽しませる工夫が施されていたけれども、クアトロ規模のライブハウスで銀テープが大量に舞った瞬間はさすがに笑ってしまった。
「ポジティブ」や「笑顔」でいることの価値って案外低く見積もられている気がするけど、それは時として「賢さ」よりも大切なものなのだと思う。(古閑英揮)
音楽に勝者も敗者もなし!パーカーズが満員の渋谷クアトロに最高のハッピーを届けた
2024.08.23 14:10