今日は絶対、特別な日になる……
そんな確信と期待を抱いて向かったC.C.Lemonホール。
いやあ、素晴らしかった!毛皮のマリーズ、ツアーファイナルにして一夜限りライヴ。
新作アルバム『ティン・パン・アレイ』の完全再現公演に行ってきた。ステージの幕が上がると、奥から射し込んでくる真っ青な光。
そして、舞台の真中には、ハンドマイクを手にした志磨とヒロTが!
『ティン・パン・アレイ』の1曲目“序曲(冬の朝)”はそんなドキドキするデュエットで始まった。
「おはよう、東京! おはよう、おはよう、おはよう!」
そんな志磨のあいさつを経たのち、『ティン・パン・アレイ』の全曲がアルバムの順序どおりに披露されていく。
ギター、ベースはもちろん、ツインドラムに、
ピアノに、ブラス隊に、バイオリンに、「ひまわりキッズ」という4人の子供たちの笑顔と歌声に……
1曲1曲に多彩なゲストを招いて繰り広げられる豊満な音世界。
「贅沢だろ〜!ここは贅沢のまち、東京だもの!」という志磨の言葉どおり、本当に贅沢なステージだった。
志磨遼平というひとりの音楽家が思い描いた理想の音楽が、素晴らしい仲間と共に具現化していく。
その様はそれだけで美しく、とても感慨深いものがあった。 本編の最終曲“弦楽四重奏曲第9番ホ長調「東京」”を披露する前に、志磨はMCで震災のことにふれ、「また朝が来ますよう、祈りを込めて歌います」と言った。
アルバム『ティン・パン・アレイ』は、志磨が愛する東京の美しさを結晶化させたものだとすると、
今日のライヴはその結晶を解凍し、
再び色や熱を取り戻させようとする祈りそのものだったのかもしれない。(福島)