め組、9年ぶりのフルアルバム『SNaCk』を携えた東名阪ワンマンツアー「SNaCk PARTY!!!! -ME-GUMI LIVE TOUR 2026-」。そのファイナル、渋谷Star lounge。
これまでのめ組と地続きにありながら、今までとは何かが違う。11年という時間を重ねてきたバンドの年輪のようなものが、ずっしりと耳に残る深いライブだった。
アコギとともに軽やかに転がっていく“ふくろいりますか?”、ブルージーな色気をまとった“銀行強盗の唄”、心地よくスウィングする“もったいない夜”。『SNaCk』の楽曲は、め組らしいユーモアや人懐っこさをそのままに音楽性をさらに深めていて、これまでのめ組のライブでは味わったことのない場所まで耳を連れていく。そこにお馴染みの代表曲も織り交ぜられ、『SNaCk』という新作を軸に、11年間のめ組がひとつのセットリストとして編み直されていた。
本編最後を飾ったのは“なるべく”。叙情的なエモーションを湛えたその曲を聴きながら思った。「SNaCk PARTY!!!!」なんて底抜けに楽しげなライブタイトルを掲げているけれど、め組の音楽がずっとやってきたのは、日々のしょうもなさも、しんどさも、嬉しさもひっくるめて抱えながら、それでも人生を「なるべく」いい方向へ持っていこうとすることなんじゃないか。
それを大仰な希望として押しつけるのではなく、地元の親友みたいな、雑であったかくて、妙にフランクな距離感で、いつもすぐそばから歌ってくれる。それがめ組の音楽なんだと思う。
この日は菅原達也の誕生日でもあった。そんな菅原を祝う会場の穏やかな空気もあったし、何より11年目を迎えたバンドが積み重ねてきた時間が、最後の曲を特別なものにしていた。
「一生バンドをやっていく」という頼もしい言葉とともに披露された“バンド・デシネm9(^Д^)”。顔文字までついたタイトルは、いかにもめ組らしいけれど、そのユーモアの奥には、これ以上ないほどまっすぐな覚悟が刻まれている。10年を経てなお、バンドに一生を捧げることをこんなにも真正面から歌えること。その言葉が、この日のライブでは曲が生まれたとき以上の重さを持って響いていた。
め組はきっと、死ぬまでバンドをやる。そして死ぬまで、僕らを「なるべく」いいところへ連れていってくれる。(畑雄介)