新代田FEVERでのカフカのレコ発ライヴを観に。plentyとの2マン。
まずはplenty。
先日のRIJFのステージ上で「止まりませんよ、plentyは」と覚悟を湛えた、江沼の静かな一言が強烈に印象に残っていたのだが、この日、それを体現していた。ギターの1ストロークからしてその強さと解放感が増していたし、曲が自由に羽ばたいていた。これからの「予感」がするライヴだった。
そしてカフカ。
透明なヴォーカルと複雑に絡み合うアンサンブルに、薄く靄がかかった景色の中をさまよい歩くような感覚と、ぐっと手を掴まれて現実に引き戻される感覚との行き来を繰り返させられる展開。たゆたうようで、どこかに常に緊張と戦慄の影が潜むライヴは、心地よい疲労感があった。
両者、ギターヴォーカル、ベース、ドラムというトライアングルで音を構築しているという共通点はあるものの、音の描き方は対照的。
たとえばplentyが、濃いめの鉛筆で線を書いたり消したり、時には芯が折れるくらい力を込めて絵を描いていくとすれば、カフカは、製図用のペンでひとつの絵を精巧に描き上げていくよう。
でもその歌が、演奏が、それに触れた者の心の奥底まで染み込み、こびりついてなかなか剥がれないという猛烈な力を持っている点では、この2バンドは同じだ。
この対バン、また観てみたい。(中村)