僕も渋谷でウンザウンザを踊りました


井上も書いているバックドロップシンデレラのレコ発、いやあ、濃かったー。

快速東京、THEラブ人間、八十八ヶ所巡礼、アルカラ、andymori、そしてバックドロップシンデレラという、佃煮みたいに濃厚なメンツでお届け。

一番手の快速東京が10分間で「通過」したあと(本当にあっという間だった!)、ラブ人間が登場。金田、1曲目でいきなり弦を切る。そしてステージの後ろで自分で張り替える。で、張り替えるや否や目を血走らせて叫ぶ。ギターに向かってうずくまっているときの孤独な背中に、今日いちばんラブ人間を感じました。

続いては八十八ヶ所巡礼。とにかく、亀田興毅みたいなドラマー(坊主でムキムキ)とハードロッカーなギターと黒いスリップドレスを着たベース・ヴォーカルという見3人組で、いきなり"君が代"を一節歌ってステージに置いてあった「まる」(紙パックの日本酒)をイッキしたりするバンドでした。
サイケといってもアシッドな感じの鋭角さを感じさせるのがいい。

四番手アルカラ。「アルカラ改め八十九ヶ所巡礼」のMCと相川七瀬で掴みはオーケー、あとは息をもつかせぬ全速力で疾走するのみ。稲村のMCも冴えている……というか、この人は勢いとテンションですべてをアリにする天才だと思います。そのテンションにフロアが巻き込まれていく感じが見ていても伝わってきて、気持よかった。

そしてandymori。『革命』を出してから初めて観たのだが、ツアー中だけあってめちゃくちゃタイトに締まったアンサンブルを見せてくれた。じわじわと熱を上げていくグルーヴ、それに伴ってだんだんと感情をほとばしらせていく小山田のヴォーカル、この日いちばんシンプルなロックンロールバンドなのだが、すごくドラマティックだった。

最後はバックドロップシンデレラ。すべてが過剰でハイテンション。「ウンザウンザ」というのは東欧の民族音楽らしいが(ググッても情報が見当たらないけど)、フォークロアな感じはゼロ。2トーンと盆踊りがマッシュアップしたみたいなビートで問答無用に高揚させていく。すげえヘンなバンドなんだけど、すげえストレートに熱いバンドでもあるシンデレラの、ポテンシャルをひしひしと感じた。(小川)
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