アルカラのワンマンで笑い泣き

アルカラのワンマンで笑い泣き

やっぱりこのバンドすごくいい。

アルバム『こっちを見ている』の長いリリースツアーをまわってきたアルカラ、今日がそのファイナルのワンマン・ライヴ@代官山UNIT。

怒りながら泣きながら笑いながら転がっていくような、手のつけられない奇妙なロックが全開。
いろんな感情を増幅させながら、フィクションもリアルもごちゃまぜにして、怒涛の勢いでぶっ放してくる。
しかもそれがキャッチーでポップで、我を越えたサービス精神がダダ漏れだから誰一人置いていかない。
「ロック界の奇行師」を自称する変態ぶりと、その奥にあるバンドとしてのクソ真面目な良心が摩擦を起こして生まれる様なこのバンド独特の熱気がたまらなく気持ちよかった。

1曲目“癇癪玉のお宮ちゃん”ではいきなりバックの映像+ダンサーのセクシーなお姉さん2名も現れ会場が一気に祭と化し、
2曲目にライヴでよくハイライトになる“チクショー”を早くも投下して一気に畳みかける、という出だしでがっつり掴む。

新作の“しょうがないなあ”から定番曲“マゾスティック檸檬爆弾”の流れもよかった。
バンドのひねくれ感とともに、悩みもがくシリアスさがたっぷり練りこまれたアルカラ節が炸裂。
オルタナなバンドサウンドや、ユーモア(というかウケ狙い)たっぷりの独特なアレンジのなかに、歌謡曲ばりのむせび泣くような美メロをぶちこんでくる、というのは彼らのお得意の技なんだけど、何度聞いてもやっぱりぐっときてしまう。

中盤、自分たちの過去を振り返り、縁のあるライヴハウスに曲を捧げたり、バンドの初代ギタリスト・三浦拓也(現DEPAPEPE)がゲストで参加したりする場面もあり、バンドにとっても今日はこれまでの集大成的な意味があったのだろう。

今日は始終お客さんの手が上がりっぱなし、ダイブも発生していたのも印象的だった。
トリッキーなアレンジや転調も多いけど、根本的にはすごく骨太なサウンドを鳴らす彼ら。
演奏がかなりいいヴァイブを放っていたからだと思う。
終演後、息をハアハア切らした男の子が「アルカラまじヤベー!」と言いながら帰って行った。

来年には東名阪ワンマンライヴをやる、東京は恵比寿リキッドルーム!だと言っていた。

もう充分地盤は固まっているバンドなので、あとはもうグングン上へ前へとぶっ飛ばしていってほしい。

そして、年末のCOUNTDOWN JAPAN 11/12は最終日の31日に出演!
ここまで真面目にかいてきたけど、アルカラのライヴは笑ったもん勝ち。
是非とも見て踊って体感してほしい、彼らのキテレツにして痛快なロック・エンターテインメントを。(福島)
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