長い武道館ライヴの歴史で、これほど執拗に、そして直接的に「生」と「死」を歌ったバンドは他にいないと思う。同時にそれがひとつのドキュメントになり、ドラマになり、最終的に客をあれほど幸福にさせたバンドも他にいないと思う。ショーとしての完成度は凄まじく、特に総合演出を担当した藤崎の仕事は大きな結果を生んだが、たったひとつ今日バンドに生まれたマジックを挙げるとすれば、それは言葉の表現領域を超えたということ。何よりも「言葉の」バンドであるSEKAI NO OWARIが言葉のテリトリーを超えた。デビュー以来、あらゆる場所で彼らのライヴを観てきた自分だが、こんな経験をしたのは初めてだ。
忘れてならないのは、今日の武道館ライヴはツアーのファイナルではないということ。これから全国ツアーが始まるのだ。(徳山)