カフカのミニアルバム『空を継ぐものたち』は優しい

カフカのミニアルバム『空を継ぐものたち』は優しい

明日、8月1日にタワーレコード限定で発売される、
カフカの1stミニアルバム『空を継ぐものたち』。
いい。何がいいって、ミニアルバムであることの必然がちゃんとあるところ。
この作品の世界は、7曲でしっかり完結している。

昨年リリースされた3rアルバム『fantasy』は
かなりスケールの大きな作品で、
それもすばらしかったのだけど、
そうやってスケール(世界)が広がることで、
何かが失われたのだとしたら、
それは「物語」としての濃密さだった。

つまり、広い世界を描くためにはたくさんのものや人やことを
同時並列的に描かなければいけないわけで、
そうなるとどうしてもストップモーション的というか、
一瞬を切り抜いていくしかない。
そして『fantasy』はそういうアルバムだった、と個人的に思っていて、
それはあのアルバムにおいて大成功だったとも思うけど、
今回は逆に、7曲をかけてひとつのことを言い切っているように感じる。

その「ひとつのこと」は何かというと、
まあ、ぜひCDを聴いてほしいのだが、
失われていくものに対する心からのレクイエムというか、
何かを失いながら歩いていく人への優しい賛歌というか……
そう、音のつくりも、演奏もどこか優しい。
肯定も否定もしない、ただ優しい。
それがいちばん難しかったりする。

とりあえず、オフィシャルサイト(http://www.ka-fu-ka.net/
内のスペシャルページで、
映像制作団体「YUMORE FiLMs」とコラボしたミュージックビデオが観られます。
切ないけど美しい、そしてこの映像もまた優しい。(小川)
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