先週発売になったcinema staffのミニアルバム『SALVAGE YOU』。
メジャーデビュー作『into the green』から間髪入れずにリリースされるこの作品は、
たぶん結果的に「次」への橋渡しとなりそうな予感がする。
この『SALVAGE YOU』と『into the green』は同時期に制作が行われていたようで、
だから『into the green』があってこの『SALVAGE YOU』がある、
という時系列で簡単に並べることができないのだが、
『into the green』で見せた新しいcinema staffの
全体像を、7曲というボリュームであらゆる角度から表現しているのが
この『SALVAGE YOU』だという気がするのだ。
そして、そうやってあらゆる角度から表現した結果、
“ito the green”や本作の“奇跡”というようなメロディックな楽曲は、
決してcinema staffの「新しい」一面などではなく、
むしろ彼らのいくつもある本質のひとつに過ぎないということが判明する。
『into the green』が一枚の絵だとしたら、
それが彫刻になって目の前に現れたような驚きがある。
そしてその彫刻はやがて巨大なインスタレーションとして世界を描く。
9月29日発売のJAPANで彼らのインタヴューを掲載するが、
三島想平(B)はこの『SALVAGE YOU』までの流れを「プロセス」だと言い切った。
どうなるのか、本当に楽しみ。
そしてその前に本作のリリースツアー「夜は短し歩けよ辻」(笑)で
どんな進化を果たしているのかも、本当に楽しみ。(小川)