たまたま音楽に入り込むきっかけがヒップホップだったというだけで、そこから先はノン・ジャンルで、じっくり聴かせたい歌詞が出来たらそれを活かすメロディーを当てればいいし、ライヴで盛り上がるレパートリーが必要だったら素直に踊れる曲を書けばいい。そうやって、エンタテイメント性を高めていくというプロセスに沿って、多彩な楽曲をストックし続けてきた彼等。その現時点での集大成を見せたステージ。
オーディエンスの側も、そのあたりは理屈ではなく体感値として充分認識しており、
TOCの巧みな煽りやコール&レスポンスに自ら乗っかっていく感覚で、
聴く曲は聴き、踊る曲は踊るという、見事なまでに臨機応変なスタンスを見せる。
そもそも、あれだけ音楽要素が幅広いアルバム『リサイタル』が
チャート2位というヒットになったというだけでも驚くべきことだが、
その内容を支持するリスナーが集まったフロアであるからして、
対応力の柔軟さ、“何でも来い!”の許容範囲は言わずもがな。
ステージ上の二人も、実にやりやすそうにのびのびとしていたのが印象的でした。
写真は、終演後に頂戴したもの。
普段はこういう時、ちょっと挑発的なポーズを取る二人ですが、
今日ばっかりは、安堵感をそのまま表現してみた様子です。