いい映画だと思ったんだけど、ちょっと暗くて重いのであまり人には話さずにいたんですが、今日の情報番組「王様のブランチ」でしっかりと紹介されていた。
やはり、響く人には響いている。
個人的には、チョン・ドヨン(カンヌ映画祭で女優賞)のアンニュイな佇まいと
30代らしいエロい肢体が好きで観に行ったんですが、いやいや、
人間の業の深さを描いた映画として出色の出来だと思う。
主人公が、裕福な一家でメイドとして働き始める、という物語で、
話の舞台として映し出されるのは、上映時間中、ほとんどこの家の中だけ。
登場人物も、主人公とこの家の家族と先輩のメイド、ほぼこれのみで
時折、友人等が登場することを除くと、徹底して狭い世界で構築されている。
つまり建前論の無い"自宅"という世界でこそ露わになる、人間の本音や執念を
エグいくらいに掘り下げる作業に徹した作品で、
台詞数が極端に少ない、サスペンス的な見せ方も相俟って
観る側はひたすら手に汗握ることになる2時間。
人間の裏の裏まで幾重にも見透かすような
執拗な長時間スパンで人物を追っていくカメラワークもいい。
日本公開は8月27日です。