「レイジ 対 X-ファクター」について思うこと

「レイジ 対 X-ファクター」について思うこと

今週末のロンドンは、3日間ぶっ続けで雪だった。

スコットランド&北部では高速道路や鉄道、公共機関、学校が続々閉鎖。
山岳地方では雪崩もあったらしい。
南部でもヒースロウ、ガトウィック、スタンステッドetcの空港から出る便が軒並みキャンセル。
ユーロスターも英仏海峡トンネルの中で突如故障&16時間も停車(真っ暗なトンネルの中で?嫌だぁ~)したあげく、当分は全面運休に。
もちろんロンドンの地下鉄も運休と急遽路線変更の嵐です。

ああ、なんて楽しいクリスマス前の在英生活♪(→無論皮肉)


★というわけで、今週末の話題はこのUK中を麻痺させた「雪」と、

例の「レイジ 対 X-ファクター優勝者=ジョー・マケルダリーのクリスマスNo 1シングル・バトル!」だった。

この奇妙な組み合わせのクリスマス・バトルの発端は、
弊社サイトのNMEニュースや、12/18付けの粉川編集長のブログでも報じられていましたが、

あの後サー・ポールやデイヴ・グロールetcまで「レイジ頑張れ!」キャンペーンに肩入れするメッセージを発表したり、
国中のオンライン・サイトやメディアでも事件はエスカレートする一方。

12/18(金)の時点では、
ジョー・マケルダリーの”ザ・クライム”は→297192枚、
レイジの”キリング・イン・ザ・ネイム”は→306115枚、

とレイジがリードしていたのに、

今朝12/20(日)の時点では、
ジョー・マケルダリーがレイジを11000枚ほど追い抜いているらしい。
この調子だと、たぶん今夜の正式な統計ではマケルダリーに軍配が上がるだろうな、、、。

クリスマス前のチャートが、くだらないTVタレントのおふざけシングルや、
普段ロックなんか聴かない層向けの駄盤(クリスマス直前に、忘れていたあの親戚の叔母さんに何をプレゼントにしよう、、、、という時に英国人が買うのがこのテのCD)だらけになるのはいつもの事ですが、

最近の「X-ファクター」出身アクトへの英米国民のオブセッションは明らかに「異常」。

スーザン・ボイルの「カバー曲ばっかりのアルバム(つまりはド素人によるカラオケ・アルバム)」が、
英米で同時1位&米ビルボード・チャートで3週連続1位って、、、。
いったい今の音楽シーンはどうなってるんだろう?

誰もが「5分間の名声」を手に入れられるオーディション番組やリアリティTV番組氾濫の弊害?
YoutubeやMyspaceも、以前みたいに有望な才能の発掘場というより、
聴くに耐えないド素人の宅録パフォーマンスやホーム・ヴィデオばかりになってきたし、、、。

もう堪えられない。
いいかげんにしてくれ!

という、音楽好きの溜まりに溜まったフラストレーションが、
今回の「レイジ頑張れ!」キャンペーンの原動力になっているような気がする。

できればこの最近の英米人の「ド素人崇拝」オブセッション、
クリスマス~年末期の一時的な「浮かれ気分」であって欲しい。
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