いいバンドのライヴを観ていてふと気づくとメロディだけひたすら追いかけているときがある。
もちろんありとあらゆる音が耳に入っているが、意識が集中してとらえているのはメロディだけ、という感じ。
漫画を読んでいるとき、セリフをしっかり読んでいながら周りの絵も見えている、という感じに近い。
さよ今のライヴを観ているといつもその現象が起こる。
それはメロディが強い、ということでもあるが、メロディと歌詞が一体になったときのドラマチックな感覚に飲み込まれている、ということなのだと思う。
今日の”クラシックダンサー”は本当に素晴らしかった。
メロディというのは言ってしまえば単なる一本の線なのに、それを追いかけていくと何か素敵な旅をしたかのような、子供の頃に乗ったジャングルクルーズの後、みたいな楽しさが残る。
楽しさだけじゃない、曲が終わりに近づいていく切なさも同時にやってくる。
それが、すごい曲をライヴで聴くことの素晴らしさなのだと思う。
この曲は菅原達也の才能を示すだけじゃなく、ポップの才能に恵まれたバンドのライヴを観る醍醐味を教えてくれる。
お客さんの笑顔が溢れるとてもいいライヴだった。