ついに本日から店頭に並んでます。
この人は本当に凄い。
と、ここまで明確に思わせてくれる作品にはそう何度も出会えないでしょう。
このアルバムは音楽作品として凄い。
凄いが、それはつまり、「星野源が本当に凄いからだ」ということになる。
それくらい、「星野の琴線そのもの」が、凄いアルバムになっている、ということです。
そんなテキストを、先月号の表紙巻頭インタヴューの時に書きました。
『YELLOW DANCER』、大ヒットしてほしい!
これぞ、一世一代の大名盤だ。
これだけのアルバムなら大げさな言葉を使っても叱られないだろう。その自信がある。
星野源、4枚目のアルバム『YELLOW DANCER』。
これはアーティストとして、人間として、あるいは、いち音楽ファンとして生きてきた星野源のすべてが詰まった作品と言っていいだろう。
ひとつひとつのビート、メロディの煌き、歌の力強さ、言葉の発語感、四季とわびさびの繊細な描写――。
そのすべてが迷いなく堂々と放たれ、アルバム全体に生命力と喜びが溢れかえっている。
曲単体も素晴らしいが、それ以上に、アルバム全体が「これが作りたかった」というシンプルなメッセージになっている。
星野源の琴線そのものが作品化されたような説得力である。
このアルバムを聴けば、星野源のことがよくわかるだろう。
こういうアルバムのことを「等身大」と呼ぶのだ。「等身大」という表現を誤解しちゃいけない。
『YELLOW DANCER』は、今を生きていくために作られた、極上のダンスミュージックだ。
直近のシングルで聴くことのできた、あの底抜けにポジティヴで明るく、世界を跳ね回って進んでいくような空気感は大切なキーポイントとして全編に配置されている。
さらに、「東京」に生きる者たちの体温を音に託した“時よ”。
「さよなら」という言葉の裏腹なポジティヴィティを描く“Week End”。
季節と花鳥風月の移ろいを歌う“ミスユー”。
出会いと別れの情景を綴る“口づけ”。
こうした新録曲もまた、星野源が生き、見て感じ、心を動かしてきたものの「すべて」が楽曲になっているものばかりである。
そして、何より感動的なのは、そのすべてが、日本に生まれ、生きる者へ捧げられたリアルミュージックになっているということだ。
星野の等身大は、僕たちの等身大なのだ。
この静かで近しいダンスミュージックに、今、僕たちの心はゆっくりと踊り始める。
星野源『YELLOW DANCER』を聴けば、星野源のことがもっと好きになる
2015.12.01 18:10