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    aiko@NHKホール「Love Like Pop vol.16」を観て感じたこと

    aiko@NHKホール「Love Like Pop vol.16」を観て感じたこと

    本人もMCで告白していたが、今日のaikoは体調が万全ではなかった。
    隠せないほどだったから、正直に告白したのだと思う。
    みなさんの力を貸してください、とaikoはライヴでいつも言うが、今日は文字通り、それが偽らざる気持ちだったのだろう。
    ファンは本当にaikoを支えるように、いつもよりもずっと距離の近い、飾らない声援を送り続けていた。
    ありふれた感想で申し訳ないが、まるでこれまでの恩返しと言わんばかりに温かい声援を送り続けるファンの姿は本当に感動的だった。
    しかし、ぼくがもっと突き動かされたのは、やはりaikoの歌だ。
    aikoは少しずつ枯れていく声でMCを続け、ユーモアを忘れず、一音一音を丁寧につかまえていくすさまじい集中力で見事に3時間、つまり「いつも通りの」aikoのライヴをやりきってくれた。
    aikoの歌はいつもあまりに流麗だから、メロディはまるで一本の糸を辿っていくように滑らかに聴こえる。
    しかし、この日は、そうやって一音一音をしっかりつかまえるように歌うことで、「今この瞬間、この音を歌えた」という喜びと安堵が伝わってくるようだった。
    あの珠玉のメロディは本当に得難いほどに美しい作りになっている。
    それがよくわかるライヴでもあった。
    デビューから過ごしてきた15年もの時間と、支えてきてくれたリスナーたちに対する感謝が込められた、すごくaikoらしいセットリストも素晴らしかった。

    来週は久々の武道館公演。
    本当に楽しみです。
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