ここ最近のKEYTALKのライヴはたとえ30分くらいの対バンイベントであっても毎回エグいくらいに盛り上がるが、それをワンマンで2時間のサイズでやるとこれほどの盛り上がりになる。
熱く、清々しく、気持ちよく、何より楽しい、素晴らしいライヴだった。
KEYTALKは、「楽しみ」ながら「楽しませる」というスキルに異常に長けたバンドで、彼らは、彼らの持ちえるポテンシャルをすべてその1点につぎ込んでいる。
楽曲の方向性も、ライヴの手練手管も凄まじいスプリンターっぷりも、最高に笑えるMCもすべてそこに向けられている。
そこには一切の迷いがない。
その証拠に――と言っていいかどうかわからないが、ライヴが終わるたびに「君たちはほんとにすごいねえ」というようなことを言ってみるのだが、4人はいつもキョトンとしている。
KEYTALKがやっていることはいつも同じで、すごいと言われるようなことではないですよ、ということなのかもしれない。
ただ、自分からすればKEYTALKはどう考えても素晴らしいバンドだ。
楽曲のクオリティ、その異常なアベレージ、3人のソングライターの個性、そしてライヴでのキャラクターの立ち方と演奏力、アレンジの正確さと気持ちよさ、ロックバンド的に見事に揃っているルックス。
というように、そのポテンシャル的要素を挙げてしまえばキリがないが、野球選手でいうところの5ツールプレイヤーというような、高次でのバランス感がすでに整っているというのはやはりすごいといわざるを得ない。
特に、楽曲のクオリティもさることながら、そのアベレージの高さには驚かされるばかりだ。
昨日も、明日店頭に並ぶシングルに収録された4曲をすべてやり、かつクオリティ的なバラつきを一切感じさせなかった。
「いい曲を選んで収録しているから」という理由も当然あるのだろう。
だが、それ以上に、このバンドは、KEYTALKらしさとフロアの期待を線で結び、その交差点に一点集中した楽曲を作ることができるという想像力と頭のよさ、そして実際のメロディセンスがそれぞれに図抜けている、ということなのだと思う。
しかもこのバンドにはそれがやれるソングライターが3人いる(ドラムの八木ちゃんは演奏とキャラで、ある意味、曲を書く以上の貢献を果たしていると本当に思う。最近は曲も書いているようです)。
さらに長くなってしまいそうなので、このあたりで自重しますが、何はともあれ、昨日のワンマンは、いよいよメジャーデビューを果たすKEYTALKの、ビッグバン寸前のエネルギーがパンパンに詰まった本当に貴重な一夜だった。
4人がどこまで大きくなってくれるか、本当に楽しみで仕方ない。