今日のジャパネク通信:FOLKSはなぜ30代半ばのリスナーに刺さるのか
2014.02.17 15:02
北海道恵庭市、恵み野という街に今も暮らす5人。
彼らのロックは重層的な構造になっているが、無理やりひと言で説明してしまうならばそれは、巧さと若さ、ということになる。
洋楽邦楽のブレンドの妙が前者で、出自に忠実な、凛としたブライトな空気感が後者。
ただ、自分的にはどちらかというと「若さ」のほうが重要だ。
それは蒼さと言い換えてもいいけれど、個人的には90年代、UKロックを聴き倒していた頃の心象風景にばっちり重なる。
音の感触は今の洋楽だが、空気感は北海道恵庭市の澄んだそれである。
その空気感とはつまり、彼ら自身の日常の呼吸、ということだ。
つまり、洋楽への憧れや気持ちよさが日常の空気に溶け込んでいる。彼らはきっと、北海道でそういうふうに生活している。
彼らは取材のとき、「恵庭っていうのはそういうところなんだ」と教えてくれた。
北欧や北米の風情を取り入れ、北海道のアイデンティティに独自のバランス感覚をブレンドさせる街、ということらしい。
だからというわけでもないのだろうが、FOLKSの音楽にもそのフラットさがインプットされている。
僕にはそのあたりの、全部の要素をフラットに眺めてます、全部取り入れます、全部好きだからそれでそれでいいんです、という飄々としたところにたまらなく新世代を感じる。
僕はもう何度もライヴを観ている。
ライヴでは快楽をオラオラと突き詰めていく、プリミティブな本性も露わにする。
しかし、岩井郁人のボーカルはどこか触れたら壊れそうに繊細で、その蒼さは蒼さのまま大切にされている。
彼ららしいフラットさがより大胆な触れ幅として爆発するのがFOLKSのライヴなのである。
どうだ、面白いだろう。と、僕が自慢することじゃないが。
先日のJAPAN'S NEXTでもいいライヴをやってくれた。
というわけで、最近はこのメジャーデビューミニアルバム『NEWTOWN』をよく聴いている。