現在のアメリカン・インディーのトレンドに最大の影響を及ぼしているバンドは、
RED HOT CHILLI PEPPERSでも、
SONIC YOUTHでもなく、
THE FLAMING LIPSであることに、異論はないだろう。
ノイズからフォークからサイケデリックからローファイからエレクトロから、
それまで試行されてきた実験をいったんひとつの圧縮機に入れてしまって、
濾過抽出されるそれらおのおのからの「自由さ」をサウンドにした
彼らの手腕は、もっともっと評価されていいと思う。
ここにきての同国次世代の活気には、
確実にTHE FLAMING LIPSの蛮勇とその継続が力を与えている。けれど、もっと言っておくべきことなのは、
そのマインドだ。
ウェイン・コインが鋭角に吐き出す世界への疑問符と同時に、
その顔にたたえる微笑みのことだ。
そこには、かつてロックが経てきた悲壮感の革命でも、
原理に過ぎる革命でもない、
いわば「明るい革命」とでも呼べそうな、
理性的で人間的で、ひとびとを等しく招き入れるような闘争の姿勢がある。
そんな、かつてなくしたたかな革命を目指すこうした姿勢は、
まさしく、いまの意識的なインディー・アーティストが同調する姿勢である。
その音には、誰もがいつしか笑顔で闘争に参画しているような
ファンタジックな瞬間が立ち現れる。
それは、「希望」の理想型をわれわれに抱かせるものなのだ。そしてもちろん、それがもっとも現実化するのが、
彼らのライブであることは言うまでもない。
目撃することを不可避とする、理由である。