Beach Houseの『Teen Dream』が素晴らしい。
「禁じられた遊び」を思わせる弦の響きから始まるこのアルバムは、最後の一音にいたるまで、うっとりするような揺らめきを美麗なメロディとともにたたえた作品だ。
だからといって、刺激的な、あるいは破壊的な音の前に力なく屈してしまうかよわさに逃げる音かというと、そうではない。むしろ反対に、その大いなる波のような音は、ロックのそうしたクリシェすら飲み込みながら、聴き手を連れ去り、ただ世界の前に粛然と立たせてしまうのである。
だから、この音は現在に現れた桃源郷でありながら、安らがせることはなく、ひりひりと、目の前の世界の有様をクリアにしていく。