MGMTは是は否か

MGMTは是は否か

本日未明に発表された、MGMTのニュー・アルバム『コングラチュレイションズ』のアート・ワークは、賛否両論のようだ。
たしかに、これはぶっとんでいる。安っぽいニンテンドー風イラストレーションで、ゲームのひとコマみたいなシチュエーション。神秘的な薄紫の光に包まれたビーチをバックにネオ・ヒッピーな精神世界をデモンストレーションしたファーストからは、どこにも補助線の引けない展開である。

というか、このアート・ワークは、MGMTの、というよりも、ロックのアルバム・ジャケット的にも、異様であり異質なものだ。その飛距離に当惑するのもよくわかる。早朝にこのジャケットを見たときは、いっぺんに目が覚めてしまった。

ただ、言うまでもないことだけど、そういうことなんだと思うのである。このアート・ワークが指し示すもの、あるいは、その視座の位置、表層感、そういったものが、来るべきMGMTのいる場所なのだ。このトンデモ感が、言い換えれば、従来の物差しでは計り知れないその距離感が、いまあるロックとMGMTとの距離だと思うのである。

ということはどういうことか。それは、MGMTの新作は、これまでのロックが語ってきた文脈とはまったく異なることを語るものになっているという、不敵な宣告である。
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