ニューヨーク州が砂糖入り清涼飲料について課税を検討しているそうだ。なんでもニューヨーク州約2000万人のうち、約4分の1が肥満体で、同州の成人男性が1年間に消費する同飲料は平均約136リットル、肥満が原因とされる病気に年間76億ドルもの医療費を支出しているのだそうだ。そこで、現在かけている8.875%の消費税の上に、9%の新税を加えることで、消費が減り、肥満が減って、医療費が削減され、税収も新たに確保できるという理屈である。もちろん、ペプシやコカ・コーラといったメーカー側は猛反発だ。
理屈はそうなのだろうけど、いまいち納得できないのは、そもそもなぜ肥満がこれだけのボリュームに膨らんでいるのかということだ。堤未果の『貧困大国アメリカ』などを読むと、アメリカの低所得者層になぜ肥満体が多いのか、その理由が書いてある。低所得者層は、配給される食券をできるだけコスト・パフォーマンスの高い食事に変えようとする。すると、自然、彼らはファストフードといったカロリーの高い食事を採ることになる。しかし、一方で、職もないわけだから、カロリーは消費されるより溜まっていく。よって、低所得者層に肥満体が多く現れるというのだ。
それではなぜ低所得者層が生まれるのか……、連鎖は限りなく続く。しかし、そこに目を向けないと、政治は政治でなくなる。
コーラに課税?
2010.03.14 20:30