Erykah Baduのクリップは絶対に観よ

Erykah Baduのクリップは絶対に観よ

いま全米が騒然となっている。Erykah Baduのニュー・アルバム『NEW AMERYKAH Part Two:Return Of The Ankh』からのファースト・カット「Window Seat」のプロモ・クリップがもの凄いからだ。撮影は1台のカメラの長回し。内容は簡単で、Matt & Kimのあの有名な「だんだん服を脱いでいく」ビデオをそのまま踏襲したものではあるのだけど、この撮影場所は、ダラスのディーレイプラザ。つまり、1963年にジョン・F・ケネディが暗殺されたあの場所だ。車から降りたErykahは、コートを脱ぎ、靴を投げ捨てていく。おそらくゲリラ撮影なのだろう(というか、このビデオの撮影許可はその内容からして降りなかっただろう)、周りの通行人が呆然と彼女を見送る。その中を、Rrykahはパーカーを脱ぎ、インナーを脱ぎ、パンツを下ろし、ブラジャーをとって、最後には下着も脱いでしまう。

一台のカメラの前で、白昼堂々、そのような行為を敢行するErykahの姿は、見ているこちらにぐうの音も出させない圧倒的パワーを放っていて、凄まじい。しかもまた、流れている彼女の音楽が洗練の極みに達したブラック・ミュージックということも凄味を否応にも増す。たしかに、空調の利いたスタジオで、多くのダンサーを従え、入念なメイク・アップを施して、頭の上に電話だのを乗っけてみせるのもひとつのラジカリズムではあるだろう。けれど、この路上で素っ裸になっていくErykahの人間力もまた、強烈なラジカリズムなのだ。

映像は、何も身につけていない彼女が突然背後から撃たれて倒れるところで終わる。いっときも瞬きのできない5分35秒。Erykah Baduはダラスの出身である。

その映像はこちらから。
http://www.erykahbadu.com/
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