「モリッシーは恐れを知らない人物である」という話

「モリッシーは恐れを知らない人物である」という話

U2やキース・リチャーズを始め、特にブリティッシュ・ロックの深化において多大な貢献をしてきたプロデューサー、スティーヴ・リリーホワイト。モリッシーのソロ・ワークにおいても、最高傑作とも称される『Vaxhall & I』などでタッグを組んだ彼だが、ASCAP EXPOなるイベントでトーク・セッションに登壇、これまでの仕事について振り返る中、件のモリッシーにまつわるエピソードを披露している。

「モリッシーは、これまで僕が仕事をしてきた中でもすごくエキセントリックな人の一人だよね」と語るスティーヴ・リリーホワイトは、続けて「彼は多くの場面において、恐れというものを知らないんだ」と語り、ひとつのエピソードを披露している。

「名前は控えるんだけど、ある、非常に名の知れたアメリカ人のマネジャーがいた」と語りはじめたスティーヴは、そのマネジャーが、当時最もビッグなソロ・アーティストを担当していたのだけど、モリッシーに興味を持っていて、イングランドの田舎にあるスタジオに、モリッシーを訪ねてきたときのことを話している。「彼はモリッシーに会いたかったんだよ。わざわざロスからそのスタジオまで飛んできたんだよね。で、彼が歩き出した、モリッシーは彼の後ろを歩き出した。そして……モリッシーは、いなくなってしまったんだ。誰もモリッシーを探せなかった。僕はどうにもきまりが悪くてさ。結局、その著名なマネジャーは帰っていった。すると、モリッシーが現れたんだ。僕は彼に訊いたよ、なんでいなくなったんだって。モリッシーはこう言ったよ。『彼の髪型が嫌で』。モリッシーは、恐れを知らないんだよ」
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