今年のSxSWにも出演して話題となっていた新星PWR BTTM。
NYタイムズ紙やローリング・ストーン誌なども次々に取り上げているNY発のふたり組は、MGMTの進化系かという見た目のパンク・バンドだ。「私のメッセージに返事してよ!」と歌う“Answer My Text”のMVが完成して一斉に注目を浴びている。こちら。
この曲、一度聴いたら忘れないキャッチーなアンセムであるだけでなく、スマホ世代の恋愛と孤独を歌った歌詞がかわいすぎる。
内容としては、好きな人にスマホからメッセージを送り、もう8時間も経っているのに返事が来ないというもの。
「電話番号を聞くだけでも大量の汗が出て、それから雑誌で書かれていた通り、わざわざ数時間待ってから、絵文字とあなたが好きなTV番組のジョークをメッセージで送ったのに。それから、もう8時間前も経ってるじゃない。だから、私のメッセージに返事してよ!」と歌うのだ。
しかも、「私が何か変なこと言ってしまったかしら」とか「もしかしてサイレントモードにして寝ちゃったのかしら」と悩むのだ。
こういうことって、新しいわけではなく、スマホ世代に限らず誰でも身に覚えがあると思うので、めちゃくちゃ共感できる。
それを絵文字などが飛び交うカラフルなMVとキャッチーなアンセムで歌うので、今話題となっている。
SxSWでのライブ映像はNPRがアップしている。
また、大事なことは、Liv BruceとBen Hopkins のふたりがクィアを公言していること。Livは、ノンバイナリージェンダー(女性、男性のどちらにも分類されない)で、トランスフェミニン(より女性的)なのだそう。そういうふたりの視点から歌われるから、LGBTQコミュニティに対してより厳しい政策を取るトランプ政権下の今、より鋭く突き刺さるのかもしれない。またLGBTQコミュニティや、ジェンダー・フルイディティ(性別に拘らない)をより支持する傾向があると言われる今のミレニアム・キッズから支持を得るのかもしれない。
デビュー作の『Ugly Cherries』は、クィアとして大学時代に住んでいたNY郊外での経験を元に書かれたもので、これから発売される『Pageant』は、パーティの翌朝について歌ったものだそうだ。アルバムは、選挙戦のまっただ中に作ったそう。
Ben は、ニルヴァーナの『ネヴァーマインド』やレッド・ツェッペリン、ジョアンナ・ニューサムなどが好きだそうで、Livはシザー・シスターズやルーファス・ウェインライトなどが好きだそう。確かにその両方が合わさったようなサウンドだ。
ビルボード誌でも大きく取り上げられていて、実はふたりのファンだというルーファスがインタビューをしている。
http://www.billboard.com/articles/news/magazine-feature/7717061/pwr-bttm-rufus-wainwright-interview
ふたりはこれまでも、ミツキやカー・シート・ヘッドレストなど、USインディの注目株とツアーしてきた。
最新作『Pageant』は5月12日発売。
新作発売後に全米ツアーが開始する。