『スラムドッグ・ミリオネア』が作品賞、監督賞、脚本賞の主要三冠!
『ザ・レスラー』が主演、ミッキー・ロークとオリジナル・ソング、ブルース・スプリングスティーンのニ冠を獲得!
無名の俳優が主役で「一体どうやってマーケティングすればいいのかわからない」とスタジオに怒られたというダニー・ボイル映画と、ミッキー・ロークを主役にしたことで、スポンサーが降りて
公開されるかもわからず作られたインディ映画が栄光をかっさらった。
ここ数年の傾向は、ハリウッド大作がより社会の闇や崩壊に立ち向かったのに対し、インディ映画が、より現実的な主人公に“希望”を託している。“希望”を描くことがオルタナだったのだ。
スプリングスティーンは受賞スピーチで「クリント・イースウッドと賞を競い合うなんて一生に一度のことだと思う」と会場を笑わせた後、(ちなみにイーストウッドは無表情)アイルランドにいる時に、ミッキー・ロークから直接電話がかかってきたことがきっかけでこの曲を書いたとコメント。
「彼はその役について説明してくれたんだが、痛みの中に身を置き、自分を本来支えてくれる愛する人達に背を向けてしまう奴がいる。これは、人生をまだ見つけられないでいる男の物語なんだ、って言ったんだ。それで俺は、そういう奴なら俺も何人か知ってるよ、と言ってこの曲ができたというわけだ」。
廃業寸前だった自分にかけてくれた『ザ・レスラー』の監督に感謝の意を述べたミッキー・ロークのスピーチはこの日最も感動的だった。
そこで彼が言っていたのだが、アクセル・ローズは映画に資金がないことを知って援助してくれたそう。だから、映画のサンキュー・クレジットに彼の名前があったのか。
最後に、普通は、奥さんとか娘とかにサンキューというところ、彼は独り身なので「僕の愛する犬達に感謝する」と締めくくった。
「男が一人暮らしだと幸せを分かち合うのは犬なんだ」と。
負け犬と言えばこの日ニ冠のケイト・ウィンスレットもこれまで無冠だったという意味では負け犬組。
レッドカーペットでは、もちろんゴージャスなアンジー&ブラピ、カップルとハリウッドの基準からは型破りにゴージャス・ボディのビヨンセが、脚光を浴びていた。
『ミルク』やヒースは獲ったが『ダーク・ナイト』を作品としてまったく無視していたゴールデン・グローブの選出は大変疑問だったが、それ以外は幸せな結果だったと思う。
ちなみに、ゴールデン・グローブは、LA在住の外国人記者わずか90人で決められている。その閉鎖的なシステムはしばしば批判されていたりもする。
アカデミー賞は約1300人で投票。今日がアカデミー賞ノミネーションの投票締め切り日だ。