トレント・レズナーが1月7日NYにてNYタイムス主催のレクチャーを行い、デヴィッド・フィンチャーの『ソーシャル・ネットワーク』サントラについて語ったが、その際、フィンチャーが現在撮影中の次回作、『ミレニアム1ドラゴン・タトゥーの女』のサントラも手がけると語った。この世界的大ベストセラーの映画化は、今年の12月21日にアメリカで公開される予定だ。
その他、マリリン・マンソンについてや、ザック・デ・ラ・ロッチャとのコラボはどうなったのか?、『フラジャイル』について今どう思うか?なども語ったので簡単にご紹介します。
●『ドラゴン・タトゥー』のスコアについては
「『ソーシャル・ネットワーク』とはまったく違うアプローチで、プログラミングはまったく使わない」とのこと。よりオーガニックな感じで、ストリングスなどを使うそうだ。
以前ニール・ヤング主催のチャリティに出演した時、ストリングス3、4人でトレントがピアノという、思いきりミニマルにNINの曲を再解体するというライブを披露して、それが思い切りかっこいい試みで感動したので、ああいう画期的なことにまたなればいいなあと思います。アルバムは発売されます。
●HOW TO DESTROY ANGELESの今後
「アルバムを発売する予定」とのこと。「最初のEPとはすごく違う作品になる」。より「ビートとリズム主体の」サウンドになるそう。最初のEPについては誇りに思っているものの、いかにも最初に作った作品というサウンドなので、今はより経験も積んだしもっと違うものになっているのだそうだ。
●NINのライブについては
「予定はない」と。でも何らかの形でライブはすると。冗談で、「ラスト・ツアーの前にジーン・シモンズからアドバイスされたんだ。とりあえずラスト・ツアーと言えばお客さんが来るから」と言っていた。
●『フラジャイル』デラックス盤
現在Alan Moulderがサラウンド・ミックスの再再発の作業中とのこと。アルバムは今年中に発売。
また、アルバムの評価については「アルバムが発売された当時は全員に嫌われた作品だった。が、今はみんなが一番好きなアルバムになったように感じる」と。また、『フラジャイル』を「レディオヘッドの『キッドA』と『アムニージアック』のように2枚のアルバムとして発売すればより理解されたかもしれないと思った」とも語っていた。
●ベスト盤
かつての所属レーベル、インタースコープとの間に、ベストアルバムを発売する契約が1枚残っているので、それを何らかの形で発売しなくてはいけない、と。しかし、「発売するからには、ただ発売せずに、それが存在する意義を明確にするつもりだ」と語っていた。
●ファンからの質問で、マリリン・マンソンとコラボするつもりはあるか?
「もちろん。僕は何だってオープンに考えるつもりだから」と。
●同様にファンから、Tapewormが日の目を見る予定は?(メイナード・キーナンとのコラボ)
「それはない」と。作品のレベルが十分ではなかったからと。そしてその時のセッションで使えそうなものは、メイナードがA Perfect Circleですでに使ってしまった、とも。そこで「実は今日偶然マンソンとメイナードについて考えていたんだ」と語り、マンソンについては「非常に才能のある人だ。僕らの間に問題はあったが、でも僕はもう大人だし……今日はスーツも着てるしね」と言って会場を笑わせた。
●ザック・デ・ロッチャとのコラボは日の目を見るのか?
「ザック見てますか?」とカメラに向って言って、会場を笑わせ、ザックがレイジを解散した後に、ソロ・プロジェクトを手伝った件について語った。トレントはすごく気に入っていたそうなのだが、「ザックが、これはダメだ。なぜならレイジのサウンドに似すぎている」と言い、別のサウンドを作ると今度は、「これはダメだ。なぜならみんなが僕から期待するサウンドと違いすぎる」と言ったのだそうだ。「恐らくこの作品が世に発表される可能性はないだろう」と。残念。
しかし、レイジの後のプレッシャーは半端じゃないでしょうからね……。でも、トレントは部外者なので、トレントが良いと言ったのなら、良い作品だったのではないかと思います。ザックが客観的に見れなかったか、この時点では自信がなかったのでしょう……。
このNYタイムスのレクチャーは毎年行われていて、今年は、音楽シーンでは、トレント・レズナーの他にグリーン・デイのビリー・ジョー・アームストロングが出演し、ブロードウェイ版『アメリカン・イディオット』について語る予定。アメリカ時間の1月9日。ここでライブストリームされます。
http://www.livestream.com/nytimes