今週末絶対して欲しいこと。『ソーシャル・ネットワーク』を観ること!!!!


アメリカで現在全米批評家賞を獲りまくっていて、さらにアカデミー賞に最も近いところにいる映画、『ソーシャル・ネットワーク』が1月15日、とうとう日本で公開になる。何を置いてもこの週末、この映画をぜひぜひ観て欲しい。

NY映画祭で世界初上映された際は、ジャーナリストも朝7時頃から行列を作るほど前のめりになった去年一番の話題作だった。そして、観終わった後、さらに盛り上がったのはご承知の通り。私個人もそうだが、アメリカの年間ベストで軒並み上位に選ばれていた。

しかし、日本ではもしかしたら当たらないのではという一抹の不安がある。日本ではフェイスブックが人気がないそうなので、フェイスブック?やってないし、とひっかからないのではと。しかし、カットのテキストでも紹介させていただきましたが、フィンチャーは、フェイスブックをやったこともないのだ。脚本家のアーロン・ソーキンも、主演のジェシー・アイゼンバーグも、この映画のために、開設し、作り終わったら解約したと言っていたくらい。だから、フェイスブックをやっていなくても、関係なく楽しめる作品なのだ。それでいてもちろん、現在起きている現象をそのまっただ中で描いてみせた、というのも大きいわけだが。

トレント・レズナーも言っていたけど、彼がこの映画に共感したのも、それがフェイスブックの物語だったからじゃない。彼は、自分がNINの音楽を作るために、それ以外のすべてを犠牲にしてきた自分のことを思い出したと言っていた。それから、これから発売のカットに掲載したテキストで、フィンチャーも同じことを言っていた。フェイスブックの創設者マーク・ザッカーバーグには、彼にだけ見えていたビジョンを完成させる責任があったのだ、と。だからそれを守らなくてはいけなかったのだ、と。という天才クリエーターのマインドを知る物語であり、そして、それ以外の100個くらいについて描いた物語である。

ちなみに私も試写で観て以来、劇場公開されてからは友達を連れて行き、さらに、アメリカでは11日にDVDが発売されたばかりなので、さっそくiTunesで買って、iPhoneにダウンロードして、電車の中ですでに2回も観てしまった。台詞がとにかく良くて、パンチラインだらけなので、暗記して一緒に言ってしまいそうな勢いだ……。あと100回くらいは余裕で観れると思う。

ちなみに、小ネタだけど、映画を観る前に知っておいて欲しいことがひとつある。この作品に双子が出てくるのだけど、それはアーミー・ハマーという同じ俳優が演じている。単にふたりを合成しただけではなくて、同時に映っている場面では、ふたりの役者がいて、後から頭だけを合成したのだ。が、それを分かって観ていても、どこをどうくっつけたのかまるで分からないくらい素晴らしくできている。とりわけ、最初の方に、ふたりがレガッタのボートを漕ぐシーンがあるんだけどそれが凄い。

ちなみにこの作品は、RED CAMERAの4Kレゾリューションで撮影され、4Kプロジェクターで公開された初めての作品らしい。フィンチャー作にしてはビジュアル主体の作品ではないけど、それでも見えない場所に挑戦が隠れているのだ。

あ、それから、この作品のサントラはトレント・レズナーとアティカス・ロスが手がけたわけだけど、映画はなんとジャック・ホワイトのギターで始まるのだ!!!!どの曲なのかは、観てのお楽しみ。しかも、終わりはビートルズです!とりわけ曲のタイトルに注目。フィンチャーらしい皮肉と笑いがそこに。

フィンチャーはこの映画を『アメリカン・グラフィティ』みたいに、若い俳優達の最もいい瞬間を封じ込めたものであると語っていたけど、と同時にここから出演者達は大きく羽ばたこうともしている。例えば、双子をひとりで見事に演じたアーミー・ハマーは、クリント・イーストウッド監督の次回作、FBIのジョン・フーバーを描いたレオナルド・ディカプリオの主演の映画で、フーバーの恋人である同じくFBIのClyde Tolsonを演じることになった。つまりディカプとキス・シーンを演じるということ。イースウッドはホワキン・フェニックスを希望していたのだけど、彼が断ったのだろう……。イーストウッドはこの映画を観てアーミーを抜擢したのは間違いないと思う。

さらに、Wの表紙は、『ソーシャル・ネットワーク』にも出演しているルーニー・マラー。フィンチャーの次回作『ミレニアム:ドラゴン・タトゥの女』に扮しての初写真公開だ!この号は、ベスト・パフォーマンス号で、ナタリー・ポートマンに、ジェームス・フランコ、ニコール・キッドマン、クリスチャン・ベールなど、今年のアカデミー賞ノミネーション間違えなしの俳優が一緒に掲載されている。

また、アンドリュー・ガーフィールドの『スパイダーマン』写真も公開された。かっこいいいい!!!てかアンドリューの何がかっこいいって、個人的には、声が哀しいところだ。この写真もどこか哀しい。
http://www.slashfilm.com/andrew-garfield-spiderman-costume/

『ソーシャル・ネットワーク』については、すでに私のテキストだけでも2回カットに掲載してますが、語っても語っても語りきれない。18日発売のカットでも再びがっつりフィンチャーのインタビューを掲載していますので、映画を観終わったらぜひぜひそちらも合わせて読んでみてください。

それでは、皆様よい週末を!!!&『ソーシャル・ネットワーク』観てね。
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