グッドモーニングアメリカ『inトーキョーシティ』全曲カウントダウンレヴュー( 12)ラスト!


もうフラゲして聴いた人もいるでしょうか。
グッドモーニングアメリカ、メジャー2ndフルアルバム『inトーキョーシティ』、本日店着、明日発売日です。

というわけで発売まであと1日、日替わりカウントダウンレヴューも最終回。12曲目“スクランブル交差点”です。

グッドモーニングアメリカのバラードといえば前作『未来へのスパイラル』の最終曲となった“餞の詩”だが、この”スクランブル交差点”もそれと肩を並べる名曲だ。
何度も書いているとおり、この『inトーキョーシティ』というアルバムのテーマは「生きる」ということだ。不器用に、不格好に、とにかく「生きる」という意志。その最後に、金廣は命が行き交うスクランブル交差点を静かに見つめる。そこにはさまざまな人生が映し出され、たくさんの問いを投げかける。

抑制の効いたバンドアンサンブルと、高らかに鳴り渡るストリングス、そして静寂を切り裂くようにほとばしる金廣の歌。寺岡呼人のプロデュースはここでも冴え渡っていて、アルバムのエンディング・テーマとしてこれ以上ないスケールと重みを曲に与えている。

この曲のラスト2行、

《当たり前の様に生きて/生きてゆくだけ》

というフレーズは、スクランブル交差点ですれ違うすべての人生を、さらには『inトーキョーシティ』というアルバム全体を美しく輝かせる。後悔と諦念と失望のたまり場だった「スクランブル交差点」が、その瞬間、明日に向けてのスタートラインに変わる。当たり前の様に生きて、死んでいくのではない。死を迎えるその前に、目の前の生にしがみつくことこそ、やるべきことなんだ。メッセージと呼ぶにはあまりにも大仰な言葉だが、金廣の声はそこにひとつの確信を滲ませる。ああ、彼はこれが言いたかったんだな、と思う。


というわけでカウントダウンレヴュー、お付き合いいただきありがとうございました。
『inトーキョーシティ』、聴いてください。これまでのレビューは以下からどうぞ。

1. inトーキョーシティ
http://ro69.jp/blog/ogawa/111450
2. アブラカタブラ
http://ro69.jp/blog/ogawa/111490
3. 何とかなるでしょう
http://ro69.jp/blog/ogawa/111512
4. STOP THE TIME
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5. 拝啓、ツラツストラ
http://ro69.jp/blog/ogawa/111617
6. コールアップ
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7. 夕暮れ
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8. ワンダーフルワールド
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9. 2014年6月25日我思ふ
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10. STAY WITH ME
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11. イチ、ニッ、サンでジャンプ
http://ro69.jp/blog/ogawa/111993