即完となったキュウソネコカミの東名阪ワンマンツアー、ファイナルの渋谷クアトロ。
盛り上がった!とかお客さんが熱かった!とか、そういうのは当たり前、バンドのほうも持てる球全部投げ込み、ネタも出し惜しみなし。昨日ヤマサキセイヤが観に行って感銘を受けたというサカナクションをSEに登場、シングルリリースのガセネタを投下したり、”天体観測”のカバー(というかコピー)を披露したり、もちろん社会のしがらみも筋斗雲も。まさに今の彼らの勢いを体現するライヴだった。
今「勢い」と書いたけど、キュウソは何もまぐれの勢いだけでこんなにウケているわけではない。というかむしろ、狙いを定めてその狙い通りに的を撃ち抜くようなバンドの気がしている。彼らの音楽は、サウンドも歌詞もMCのネタもグッズもウェブサイトも、ある世代のある層にジャストミートするようにチューニングされている。すべてが、そこの中での共通言語でできている。だからめんどくさい説明をショートカットして直感的に盛り上がれる。それは半分はたまたまとか本能かもしれないが、もう半分は知性によるものだ。だから、彼らはあれだけいろいろやっていてひとつもハズさないし、裏切らない。口は悪いしやんちゃだけど、親切で、的確で、賢いバンドだ。