こちら、昨年の『リワインド・ザ・フィルム』と対をなすアルバムとして発表されていて、確かに前作のアコースティックでフォーキーな趣向とはだいぶ変わっているが、だからって『ジェネレーション・テロリスト』のサウンドに戻ったわけではなく、タイトルが示すとおり、まさにマニックスの進化系が提示された1作である。
基本、マニックスならではのアート心に満ちたロックンロールが鳴らされているのだが、これまでになくフリーキーなことに挑戦しているというか、場合によっては“ぶっ壊れてる”ような曲もある。
特に6曲目の“セックスと権力に愛と金”とかラストの“マヤコフスキー”は一瞬マニックスを聴いてることを忘れてしまうほど奇天烈。
オールドファンはもちろんのこと、彼らのレガシーの入門編としても楽しめる1枚と思える。
そんなアルバムを凝縮したサンプラーがこちら。
って言っても、23分もあるけど……(笑)。
にしても、もともとはデビュー作1枚出して解散すると宣言していたバンドが、それから20年以上経っても、野心に溢れた作品を作り続けていることにはホントに脱帽である。