エレキ・ギターがロックの主役となり、ギタリストがバンドのヒーローとなったのは、彼がいたからだ。
ビル・ヘイリー、エルビス・プレスリーと並ぶロックンロールの創始者にして元祖ギター・ヒーローの、なんと38年ぶり(!)となる最新作『チャック~ロックンロールよ、永遠に。』が本日リリースされた。
ロックの日にこれほどふさわしい作品はないだろう。
レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロもゲスト参加した“ビッグ・ボーイズ”
自身でソングライティングを手がけたり、
派手なギター・パフォーマンスを繰り広げながらもヴォーカルとして成立したり、
白人ではやっていたロカビリーを取り入れるなどあらゆるジャンルを融合したり、
今ではごく当たり前のことを、チャック・ベリーは数多く発明した。
そんな彼の偉業を、ロッキング・オン6月号(ジョン・ライドン表紙)では6ページにわたって掲載した。執筆は高見展さん。
新作には“レディ・B・グッド”という曲も収録されている。“ジョニー・B.グッド”の続編でベリー家のギタリスト三世代がフィーチャーされていて、最初は微笑ましく思ったが、この追悼原稿を読んで深い考察に感動した。
チャック・ベリーがなぜ最後のアルバムで“レディ・B・グッド”を歌ったのか? 知りたい人は、ぜひ読んでください。
下記の映像にはキース・リチャーズと共演しているが、本誌ではキース&ジョン・レノンとのスリー・ショット写真も掲載している。
日本盤のブックレットには、チャック・ベリーと親交のあった内田裕也が直筆メッセージを寄稿し、「チャック・ベリーのすごさは日本ではよく理解されていない」と語っているそうだ。だからこそ、ビートルズの初来日の1曲目に“ロックン・ロール・ミュージック”を歌い始めたときにものすごく感動したと。
ロック史に残るそうした代表曲はたくさんあるが、今回はチャックのアルバムに新作として出会える貴重なチャンスだ。(井上貴子)
『チャック~ロックンロールよ、永遠に。』
[バンド・メンバー]
チャールズ・ベリーJr.(ギター)*チャックの息子
イングリッド・ベリー(ハーモニカ、ヴォーカル)*チャックの娘
ジミー・マーサラ(ベース)
ロバート・ロー(ピアノ)
キース・ロビンソン(ドラムス)
[ゲスト・ミュージシャン]
ゲイリー・クラーク・ジュニア
トム・モレロ(レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、オーディオスレイヴ)
ナサニエル・ラトリフ
チャールズ・ベリー3世(*チャックの孫)
[収録曲]
1 ワンダフル・ウーマン
2 ビッグ・ボーイズ
3 ユー・ゴー・トゥ・マイ・ヘッド
4 3/4タイム
5 ダーリン
6 レディー・B.グッド
7 シー・スティル・ラヴズ・ユー
8 ジャマイカ・ムーン
9 ダッチマン
10 アイズ・オブ・マン