時代の開拓者としてメタル界をリードし続け40年――アイアン・メイデン6年ぶり待望の新作『戦術』が9月リリース決定!

時代の開拓者としてメタル界をリードし続け40年――アイアン・メイデン6年ぶり待望の新作『戦術』が9月リリース決定!

東京オリンピック開催を通じてこの国自体が世界から注視される中、すぐれた日本人選手の存在ばかりではなく、日本文化の中にもグローバルな認知を獲得するものが出てくる可能性を感じずにはいられない。そして、そのオリンピック開会の直前に届いたのが、アイアン・メイデンの新作アルバム発売決定の報だった。そこに冠されたタイトルは『戦術』。いわゆる邦題ではない。原題が『SENJUTSU』なのである。

英国に生まれたこの怪物バンドは、1980年に年にデビューし、これまでに通算9000万枚もの累計アルバム・セールスをあげてきた。前代未聞のパンデミックはそんな怪物の動きさえも止めてしまったが、実のところ彼らは2019年の時点でこの作品のレコーディングを済ませていたのだった。以降、想定外の待機期間を経なければならなくなったのは確かだが、時代性との付き合い方を最優先するわけではない彼らの音楽は、多少の時間経過により変更が必要になったり、価値や意味を失ったりするものではない。前作、『魂の書〜ザ・ブック・オブ・ソウルズ〜』の登場からちょうど6年を経ることにはなったが、結果的にはむしろ待望感がピークに達したところで今作が世に放たれることになる。これが彼らの“戦術”の一部だとは思わないが、この作品登場が、シーンが活気を取り戻すうえでひと役買うことになるのは間違いないだろう。

もちろんすべてのメタル・ファンがアイアン・メイデン愛好者というわけではないし、彼らはロックンロールの殿堂に祀られる機会も逃している。が、80年代の初頭から、各時代のメタルを象徴する存在であり続けてきた怪物が動き出すとなれば、メタル界隈の空気の流れ自体にも変化が生じてくるはずなのだ。しかも40年を超える歴史を持つ彼らは、クラシックな存在であると同時に、常に開拓者でもある。この新作から先行公開されている、大胆なアニメーションによる“ザ・ライティング・オン・ザ・ウォール”のビデオ・クリップも、このバンドが過去を基準地点としていないことを実感させるものだ。その『戦術』の全貌が明らかになるまで、あと少し。すでに世界は、その術中に嵌まりつつある。 (増田勇一)


アイアン・メイデンの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』9月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

時代の開拓者としてメタル界をリードし続け40年――アイアン・メイデン6年ぶり待望の新作『戦術』が9月リリース決定! - 『rockin'on』2021年9月号『rockin'on』2021年9月号

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