【今月の気になるあいつ】 100 ゲックス
ディラン・ブレイディとローラ・レスによるUS のハイパーポップデュオ。2019年のデビュー作『1000 ゲックス』にて、ポップシーンに衝撃を与え、その後、フォール・アウト・ボーイ、チャーリーXCXらとのコラボを経て、“ハイパーポップの寵児”という地位を確立する。2023年3 月に世界が大注目するセカンドアルバム『10,000 ゲックス』をリリース予定。現在発売中のロッキング・オン3月号では、「気になるあいつ」にて100 ゲックスを掲載しています。本記事の一部をご紹介。
文=つやちゃん
サウンドに多彩なエフェクトをかけ、加工し、引き延ばしたり切り刻んだりしながらもポップに仕立て上げる─魔法のように自由自在なエディットで大きな注目を集めてきた新世代の音楽家、それが100 ゲックスだ。実際、彼らはミュージックビデオやライブでは魔法使いのようなコスチュームでユーモアにあふれた仕草を見せ、その音像の断片はインターネット中に伝播しミーム化を続けている。
いよいよ3月17日にニューアルバム『10,000 ゲックス』をリリースする彼らは、現在進行形のエレクトロニックミュージックを捉える上で最重要人物と言っても過言ではない。様々なコミュニティのハブとなりその存在感を今もなお高め続けているユニットであり、昨今のシーンにおけるゲームチェンジャーでもある。100 ゲックス以前/以後という流れが明らかになった今、改めて彼らの軌跡を振り返っておく意義はあるだろう。
2015年、アメリカはミズーリ州セントルイスでディラン・ブレイディとローラ・レスというふたりが出会って結成された100 ゲックスは、2016年にEP『100 ゲックス』を自主リリース。スカスカなビートにうねるベース音、冗談のようなアレンジは、ジャンクだが極めてポップなものだった。ふたりのユーモアセンスと遊び心の原型は当時すでに出来上がっていたことが分かるが、その未完成のままの完成形とも言うべき無邪気な実験がさらに極まったのが2019年リリースの『1000 ゲックス』である。
(以下、本誌記事へ続く)
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