ポール・ウェラー、6年ぶり待望の来日決定! 会心の最新作を引っ提げた無敵の御大を見逃すな!

ポール・ウェラー、6年ぶり待望の来日決定!  会心の最新作を引っ提げた無敵の御大を見逃すな! - rockin'on 2023年12月号 中面rockin'on 2023年12月号 中面

ポール・ウェラー、6年ぶりの来日公演決定。しかも、大阪~名古屋~札幌~仙台~東京2デイズをまわる精力的なツアーである。御大本人がXで日本の都市と富士山を合わせた画像を投稿し来日への期待を膨らませた翌日、再度Xから投稿された正式決定の報に、思わずガッツポーズをしてしまったファンは自分以外にも大勢いたであろう。

2021年の最新作『ファット・ポップ』でソロ6枚目の全英1位を獲得したポール・ウェラー。振り返れば、スタイル・カウンシルのセールス低迷からの消滅という憂き目にあったポール・ウェラーが90年代初頭にスタートさせたソロキャリアにおいては、ソウルとブルーズを一から血肉化し直すような求道的な作品が重ねられた。その絶頂に至ったのが2005年の『アズ・イズ・ナウ』で、ストレートにロックを鳴らしてもその中に自然とルーツの深みが宿る高みにまで彼が到達したことが伝わる傑作であった。

続く2008年の『22ドリームス』はノエル・ギャラガーグレアム・コクソンなど豪華ゲスト陣を迎え百花繚乱の音楽性を鳴らし切った「蓄積からの爆発」の1枚。ここでネクストステージに歩を進めたウェラーは、そこから『ファット・ポップ』まで1年~最長でも3年というスパンで、クラウトロックへの接近やオーケストレーションの咀嚼など作品毎に異なる挑戦を果たしつつ、確かな力作をリリースし続けている。一本の太い芯が通され説得力に満ちていて、大衆音楽史上を見渡しても他に類を見ない、稀有にして偉大なキャリアである。

また、2018年の来日公演の際、それまでに観てきた彼のライブと比べても圧倒的に磨き上げられたバンドの演奏の切れの良さに心底驚かされたことも忘れ難い。ロックバンドとしての一つの完成形を体現するような神々しい姿であった。

名曲と名作を連発したザ・ジャムの中~後期も、ポップの神の寵愛を受けたスタイル・カウンシルの初期も、もちろん黄金期と呼ぶべき季節である。しかし、音楽家として最強の状態のポール・ウェラーが観られるのは、間違いなく今なのだ。必見。 (長瀬昇)



ポール・ウェラーの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』12月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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