【今月の気になるあいつ】 ベンソン・ブーン
米ワシントン州出身、2002年生まれのSSW。『アメリカン・アイドル』への出演経験があり、感情豊かな歌声は注目を集めた。その後はダン・レイノルズのレーベルと契約。1月にリリースしたシングル“ビューティフル・シングス”はリリース前からSNSで楽曲の一部を公開して話題を集め、自身最大のヒットに。4月には待望のデビューアルバムをリリースした。現在発売中のロッキング・オン6月号では、「気になるあいつ」にてベンソン・ブーンを掲載しています。本記事の一部をご紹介。
文=新谷洋子
事の始まりはエド・シーランあたりにまで遡れるのかもしれないが、昨今の英米のポップミュージック界においては、女性たちがトレンドを切り拓く一方、男性の場合は、タイムレスネスとオーセンティシティを掘り下げるアーティストが注目を浴びている感がある。第66回グラミー賞の新人賞候補に挙がったノア・カーン然り、本コーナーに登場済みのテディ・スウィムズ然り、そしてこのベンソン・ブーンも然りだ。
カーリーヘアにヒゲという風貌や、バンダナや白いベルボトムを着こなすセンスも時代錯誤なくらいタイムレスなベンソンは、シングル“ビューティフル・シングス”でこの春ビルボード・グローバル・チャートで7週間1位を獲得し、文字通り世界の頂点に立った21歳のアメリカ人。
シアトルに近い小さな町モンロー出身、子どもの頃にピアノを習った程度で特段音楽に興味があったわけでもなく、専らスポーツ少年として育った彼の、デビューまでの経緯がなかなか面白い。何しろ、高校時代に友人に誘われてバンドコンテストに参加し、ピアノ担当のはずが図らずもシンガーを務める羽目になり、これを機に突如歌に目覚めたというのである。
そこで、大学に通いながら『アメリカン・アイドル』の第19シーズンに挑戦。予選では審査員のケイティ・ぺリーに「あなたなら優勝できる」と賞賛されて本選に進んだものの、「『アメアイ』出身という看板を背負うより自分の力で評価されたい」と思い直して番組を離脱。大学も中退してTikTokに歌の動画を投稿し始めたところイマジン・ドラゴンズのダン・レイノルズの関心を引き、全面的なサポートを得て、ダンが主宰するレーベル:ナイト・ストリート・レコードからシングル“ゴースト・タウン”でデビューに至った。
(以下、本誌記事へ続く)
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