ペギー・グー:アジア発、ダンスミュージックの世界基準 ―― デビュー作とともにフジロックに降臨!

ペギー・グー:アジア発、ダンスミュージックの世界基準 ―― デビュー作とともにフジロックに降臨! - rockin'on 2024年6月号 中面rockin'on 2024年6月号 中面

今夏フジロックへの出演も決定している韓国出身DJ /プロデューサーのペギー・グーが、満を持して6月7日にXL RecordingsからのデビューAL『アイ・ヒア・ユー』をリリースする。BBC Sound of 2024での高評価(ザ・ラスト・ディナー・パーティー、オリヴィア・ディーンに次ぐ3位)など世界中で話題性を獲得してきたが、ロンドンでファッションを学んでいた学生時代に既にDJとして活動を開始、2010年代にはベルリンを拠点に本格的にミュージシャンとしての道を志し、ダンスシーンでは早い時期から注目を集める存在だった。

これまでに英Ninja Tuneや独!K7といった名門レーベルからリリースを行なっていることからも、ペギー・グーに寄せられる信頼の大きさが窺えるというものだろう。2018年には、フジロック初出演を果たしている。

DJ /プロデューサーとしてのペギー・グーについて注目すべき点は、何と言ってもダンスミュージックのフィジカルな効能を徹底して見つめ追求し続けるストイックな姿勢にある。移り変わりの早いダンスミュージックのトレンドに流されることなく、テックハウスやブレイクビーツといった自身の愛する表現フォーマットを鍛え続け、オリジナリティを注ぎ込む。

昨年のULTRA JAPANや4月のコーチェラ配信で観たステージも、マイクを握る時間は必要最小限。ただしつぶさにオーディエンスの反応を窺い、的確なミックスで逃れ難い高揚感を育む姿に惚れ惚れとさせられた。最高のタイミングに投下される昨年のシングル曲“(イット・ゴーズ・ライク)ナナナ”は、硬派な創作姿勢にこそ裏付けられた極上のアンセムだ。

ファッションモデルやブランド運営でも活躍する彼女には、メインストリームもアンダーグラウンドもない。ただ「好き」を貫く生き様が、自身を新時代のポップアイコンたらしめたのである。レニー・クラヴィッツ参加の“アイ・ビリーヴ・イン・ラヴ・アゲイン”や直近の“1+1=11”などのシングル曲も含む『アイ・ヒア・ユー』にはぜひとも注目し、フジロック出演に備えてほしい。 小池宏和



ペギー・グーの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』6月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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