昨日は渋谷クアトロでコンヴァージを観た。
アンコール1曲を含む、全部で1時間という、これまでになくあっさりしたライヴだったが、濃厚なその内容は時間で測れるものじゃない。
今まで、何回も観てきたバンドだけど(初来日もクアトロで観た)、今回のスケールも破格だった。
特に新作『オール・ウィー・リーヴ・ライヴ・ウィ・リーヴ・ビハインド』の曲。
このアルバムのライナーノーツを書かせてもらったんだけど、やはり傑作『Jane Doe』に対する思い入れが深すぎるため、”最高傑作”という言葉は避けていた。
けど、昨日のライヴを観て断言したい。
最新作こそ彼らの最高傑作である。
それぐらい、新曲の演奏が秀逸だったし、往年のフェイヴァリットを含むセットリストの中でもひときわ輝いていた。
特に中盤で演奏された、コンヴァージ風ツェッペリンとでも言える“サッドネス・カムス・ホーム”の、錯綜としたカオティック・ハードコアの中で見せるブルージーなグルーヴは、彼らにとって新境地。
それを難なくライヴで再現していたのは本当にお見事。
最初に観たときから、すでに10年も経つわけで、ヴォーカルのジェイコブも丸くなったように思えたし、声もだいぶ渋くなったが、それでもバンドのパフォーマンスそのものはキレッキレ。
本誌掲載の最新作のディスクレビューで小野島大氏が「オレが居住まいを正してスピーカーの前で正座して聴くようなバンドは、もはやコンヴァージ以外にはありえない」と書いていたが、彼らのライヴもまさにそのように臨むべきイヴェント。
本当に外れなし。
素晴らしい。(内田亮)