ストーンズの号外

ストーンズの号外

とても嬉しい。周りに観た人がたくさんいて、自慢気にライブの素晴らしさを話すのを聞きながらムカついていたので、本当に嬉しい。
でも、言いたくないのだけど、期待とは違う気持ちで、少し胸がざわつく。
というか、正直に本当のことを言えば何か切ない。言うまでもなく、これが最後かもしれないからだ。
もの凄く変なことを言えば、観てしまうと最後になってしまうような気がするのだ。
うまく言えないのだけど、最後のライブの目撃者にならなければ、自分の中のストーンズのライブは終わらないような気がするのだ。
無論、今回のライブは絶対に観たいし、絶対に観るのだが、どこかに観たくない気持ちもあるのだ。
実はポールの時もそうだった。一瞬、書こうか迷って、結局書かなかったのだが、ラストの「ジ・エンド」が終わった時、とても大きな感動と同時に大きな喪失感を感じた。
ライブが素晴らしかったことが、余計にかけがいのない時間が終わってしまった喪失感を大きくしてしまった。
こちらのそんな感傷とは関係なくポールは「また次回と」と言ってくれたし、あの勢いだと本当にまた来てくれそうだ。
しかし、それはそれとして、僕の感じた喪失感と感傷は、いずれにしろこれから必然として、ロックが引き受けていかなければならないものではある。
ロックという音楽はそうした年齢になったのだ。
前回のストーンズ来日の時は、空席のあるライブがあった。
今回のライブを空席のある会場では絶対に観たくない。
僕たち世代が頑張っていかなければ。
渋谷で配られていた朝日新聞の広告号外。
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