25年目にキャリア最大のキャパの会場に立つという、これほどエレカシにふさわしい物語はないだろう。
ファンなら誰もが知っていることだが、メジャー契約がなくなりインディーズ・アーティストになった時、彼らは小さなライブハウスで熱いライブを続けることによって、ファンとの強い信頼関係を保ち続けていた。
その時期を経てバンドはその後、数々の代表曲を生む黄金期を迎えることになる。
昨年、一昨年とバンドはキャリア上最も厳しい局面に立った。ステージで宮本は「去年の今頃は、こうしたステージに立つことなど想像できなかった」と語っていたが、それはこの場にいたファンも全く同じ想いだっただろう。
しかしエレカシは今日、バンド史上最大キャパのライブを実現させたのである。
例え逆境に立っても、そこからより高いところを見据えて歩みを止めないエネルギー、それがエレファント・カシマシなのだ。
ライブ後半、続けざまに演奏された「桜の花、舞い上がる道を」「笑顔の未来へ」「あなたのやさしさをオレは何に例えよう」「ソウ・メニー・ピープル」といった肯定的なメッセージとエモーショナルなメロディーを持った曲は、今のエレカシの存在そのものと共振し、スーパーアリーナ満員の聴衆の心を激しく揺らした。
セットリストを見ても分かるように全35曲にアンコールで4時間に及ぶライブだった。しかしその間、テンションは落ちることなく、エンターテイメントとしても最上級なものを観せてくれた。
素晴らしいライブだった。
エレカシ、さいたまスーパーアリーナを制覇
2014.01.11 21:47