誕生日だから長女のすみれちゃんと長男の緋美くんも登場して、緋美くんは完全にプロ・レベルの歌を披露してお母さんのバースデイを祝った。
そして何よりも、とにかくCharaのライブがよかった。
これまで何度も観てきたCharaのどのライブよりよかったんじゃないかと思う。
50歳にして、アーティスト/パフォーマーとしてピークを迎えていると思う。
過去から現在までの代表曲を網羅した今日のセットリストは、ポップ・シーンの27年間においてCharaがいかにとてつもない存在であるかを見せつけるものだった。
Charaは何十曲も大きなヒットを飛ばしたアーティストではない。
みんなが簡単に憶えてすぐに歌えるシンプルな歌も少ない。
でもCharaでしかあり得ない、Charaにしか作れない、Charaにしか歌えない幾つかの特別な歌を、世代をまたいで人々の心に届け続けてきたその足跡は美しい。
「タイムマシーン」も「しましまのバンビ」も「ミルク」も「やさしい気持ち」も、ポップ・シーンの宝物のような楽曲だ。
Charaがデビューした1991年以降、渋谷系のガーリー・ポップもあったし、R&B系のディーバのブームもあった。
その後はガールズ・バンドのブームもシンガーソングライターの流行りもあった。
そんないくつもの流行り廃りなどものともせず、唯一無比の女性シンガーとして27年間コンスタントにメインストリームを歩き続けてきたのだ。
いまだにリリースがあるたびに、音楽誌にもファッション誌にも大きく取り上げられる。
50歳を迎えてのそのスタンスは、偉大だと思う。
あの個性の塊のような歌と音楽を少しも曲げたり薄めたりすることもなく。
終演後、子供たちや仲間に囲まれて幸福そうにしているCharaのスマイルはとてもかわいかった。